CE0Y/JK1FNL

  5-8 Jan.'07 

 2007年1月に、CE0Yチリ・イースター島からCE0Y/JK1FNLを運用しました。Wの局を中心に1200を越える交信を達成し、私としては大満足のDXバケーションでした。
 もちろん、観光も楽しんできました。巨石像をはじめとするイースター島の様子も含め、レポートしたいと思います。




イースター島へのDXバケーション

 2006年も11月になり、もう遅いかもと思いながらも年末年始の旅行を計画し始めました。どこにしようかと夫婦で書店の旅行書のコーナーでガイドブックを眺めていたところ、とある写真に目が留まりました。海に沈むモアイとダイバーの写真です。神秘的な光景に、イースター島に行ってみたいという気持ちが湧いてしまったのでした。
 さっそく、そのガイドブックを購入し、同時にインターネットで情報を集め始めました。私はモアイのような不思議な遺跡が大好きです。モアイを見ることができれば満足と考えていました。

 日本からイースター島はとても遠いです。タヒチ乗り継ぎ、あるいはチリ乗り継ぎとなります。日本からはタヒチ乗り継ぎが現実的と考えて手配を始めました。そして、ふと思ったのです。イースター島に行くのは、最初で最後になるのではないかと。
 そうなると、やはりアマチュア無線を運用してみたくなります。時間が1ヵ月ほどしかなかったのですが、ライセンス取得に向けて動き出しました。

イースター島(チリ)の免許情報

 海外のライセンスを申請する際には、毎回、OH2MCNのサイトが頼りになります。同サイトによると、いずれかの国の免許を持っていれば、チリの免許も得られるとのことです。ただし申請は必要とあります。申請料は無料のようです。PTTへ直接申請することで1〜3週間で免許が得られるとのことです。今からでも間に合う可能性が出てきました。
 また、チリの連盟であるRCCHの会員になれば、RCCHが申請代行してくれるともあります。会費はかかりますが、こちらの方が確実と思い、RCCHにメールしてみました。ところが、メールがあて先不明で戻ってきてしまいます。いくつか探し当てたアドレスに出してみましたが、ほとんどが戻ってきてしまいます。RCCH経由での申請はあきらめました。

 RCCHへのコンタクトと平行して、以前イースター島から運用したことがある日本人局に免許申請の方法を質問するメールを出していました。幸い、この方とは面識があったのです。その方は、他の方からチリの局を紹介してもらい、代行申請してもらったとのことでした。これまた、偶然なのですが、私はその方とも面識があったので、相談のメールをお出ししたところ、チリの局とコンタクトを取って下さいました。ありがたいことに「友達の知り合い」に過ぎない私のために、そのチリの局が免許申請を代行してくださることになりました。

免許の申請と取得

 申請書は、OH2MCNのサイトで入手できました(代行申請を快諾して下さったチリの局も申請書フォームをメールで送って下さいました)。これに必要事項を記入し、免許のコピー、英文証明書、パスポートのコピーとともに、スキャナーで取り込み、メールの添付ファイルとして申請してくださるチリの局にお送りしました。
 その結果、無事、出発の2週間前、12月中旬に許可を得ることができたのでした。

機材の準備

 海外の移動運用では、TS-480HX、あるいはTS-480SATを使い分けていました。今回は、電源が1台でよいTS-480SATを持っていくことにしました。もちろん、CWインターフェースやRTTYインターフェースも用意しました。
 電源はいつもアルインコのDM-330MVを使っています。この電源は、メーカーが保証している使い方ではありませんが、内部のスイッチを切り替えることで、200〜240Vでも使うことができます。しかし、今回は、更なる機材の軽量化を考え、FT-897用の内蔵電源ユニットを購入することにしました。このユニットは、13.5V 22Aが得られ1kgほどとたいへん軽量なのです。
 同軸は、10m、20m、30mの3本を用意しました。アンテナは、ワイヤーアンテナとし、きちんと調整することにして、アンテナチューナーは用意しないことにしました。代わりにアンテナアナライザーを持っていきます。
 10mの釣竿を2本、5.4mの釣竿を2本用意しました。10mの釣竿は、木にアンテナのワイヤーを引っ掛けるのに便利です。もちろん、GPやDPの支柱にも使うことができます。

フレンチポリネシアからイースター島へ

 1月1日に成田を発ち、フレンチポリネシアに向かいました。1月4日までモーレア島、タヒチ島で過ごしました。この間、FO/NA8Oの運用を行いました。この運用については、別途FO/NA8O運用記にまとめました。

 1月4日にイースター島に向けて出発、同日早朝にイースター島に到着しました。

ホテルのロケーション

 空港からホテルに移動しました。ホテルはコテージタイプで、広い芝生の庭に面しています。事前に、日本の旅行代理店にアマチュア無線運用の希望を伝えていましたが、改めてホテル側に確認しました。まったく問題ないとのお返事をいただきました。


宿泊したのは、ホテルハンガロア。ハンガロアは、イースター島唯一の村の名前

 ホテルのロケーションは、海に突き出たような感じのところです。したがって、3方向が海といった感じです。いかにも電波が飛びそうです。期待が高まります。コテージなので、他の宿泊客の迷惑にもなりにくいことでしょう。

 少し心配したのが、目の前にコーストガードの建物があったことです。無線鉄塔も立っています。ここからクレームが付かなければよいと心配していました。結果的には、まったく問題ありませんでした。


コテージの前には広い芝生の庭が広がり、その気になれば160mのアンテナ建設も楽勝。
左奥にコーストガードの無線鉄塔が見える。



写真中央の緑色の屋根のコテージが並ぶあたりがホテルの敷地。
海に突き出た感じの素晴らしいロケーション。

運用準備

 初日は、さっそく午後から、島内観光の予定が入ってます。帰ってきてからすぐに運用できるように、さっそくアンテナの建設開始です。近くの木に釣竿を沿わせる形で固定し、14MHz/18MHzのダイポールの支柱としました。また、リゾートタイプのホテルには必ず用意されている屋外用のイスを使って、釣竿をもう一本立てて、7MHzのバーチカルアンテナとしました。ラジアルは2本とし、地面に這わせました。
 2本のアンテナ、計3バンドとも、アンテナアナライザを使った調整で、問題ないSWRとなりました。


木を使って14/18MHzのアンテナを、イスを使って7MHzのアンテナを設置した。


イスのクローズアップ。釣竿をビニールバンドでイスにとめた。
ステーをとった上で、イスに石を載せて安定させる。


初日(現地時間1月4日)の運用

 14MHzCWで運用を開始しました。現地時間1月4日 19:00(1月5日00:09z)にK6INMと最初のQSOに成功。しかし、その後、呼んでくる局がいません。めげずにCQを出し続けると、19:19に7局目との交信が終わった頃から、ようやくパイルアップとなり、快調に局数が伸びていくようになりました。
 その後、1時間強、途切れることなく呼ばれ続け、120QSOとなりました。多くがWとのQSOでしたが、JAとも8QSOできました。
 20:33のQSOを最後に急に呼ばれなくなり、20:37(01:37z)の1QSOのあと、夕食のため一時QRTとなりました。
夕食にはちょっと遅い時間のように感じられるかもしれませんが、21:00頃まで明るいのです。


夕食中のレストランから撮影した夕日


小型ノートPCをひざに載せての運用。メモ用紙を置くスペースもない。
でも同軸がここまでしか届かなかった:-)


 途中、庭に面した出入り口をノックする音が。恐る恐る出てみると、ホテルスタッフです。
誰かからクレームがあったのかと思いましたが、夜間の見回りでアンテナからの同軸ケーブルが
人が引っかかるような高さに張られていたのが気になった程度だったようです。すぐに地面を這うように手直ししたところ、OKとのことでした。

 パイルが途切れたところで仮眠をとることにしました。電波伝播予想などから、
現地時間の03:00〜06:00ならJAと交信できる可能性が高いと考えていました。それに備えてのことです。

 ここまでは、早朝というより深夜の運用と考えて、初日の運用とすると、総計267QSOです。初日はアンテナが不十分な出来の場合が多く、徐々に改良していくことが多い私のDXバケーションでは、初日でこの局数というのは、かなりのハイペースです。

二日目(12月27日)の運用

 目覚ましもないのに、3時間後の03:30(08:30z)頃、目を覚ましました。すぐに7MHzCWで運用を再開しました。
 03:40頃からコンスタントに呼ばれ始めました。予想通り、JAがたくさん呼んできてくれます。05:31(10:31z)までの2時間で、120QSOほどできました。
 睡眠、起床、朝食を取って、バスでの観光に向かいました。
 夕方までの時間は、連日、観光を楽しみました。たくさん撮影したモアイの写真は、レポートの後半で紹介します。


でもちょっとだけ

 観光から帰ってきて。18:00(23:00z)頃から14MHz CWで運用開始しました。18:09(23:09z)から呼ばれ始めました。夕食に出かけた20:30(0130z)までに130QSOできました。
 昨日同様、ホテルのレストランへ。ウェイトレスは、スペイン語しか理解できないようです。英語が苦手な私ですが、それでも英語なら何とかなってたんだよな〜とは、日本以外の非英語圏にいるときの毎度の感想です。
 2時間後、運用を再開、昨日の同時間帯と同じ7MHz CWです。22:35(03:35z)頃から呼ばれ始めました。01:30まで運用しました。

 ここまでで、総計513QSOとなりました。よいペースです。

3日目(現地時間1月6日)の運用

 2時間仮眠を取って03:30から運用再開、04:46まで運用しました。仮眠をとって朝食を食べ、観光に出かける前も運用、08:07から09:18まで7MHz CWでQSOしました。
 こんな感じで夜はずっと仮眠を取りつつも交信していたわけですが、じつは昼間は寝ていました。観光は現地ツアーを手配し、小型のバスで回ったのですが、その移動中は半分くらい寝ていました。しっかり観光を楽しみつつも、それなりに睡眠をとっていたのでした。

 この日は、バスでの観光は午前中で終了。ホテルではなく、ハンガロアの村のメインストリートで降りて村を歩きました。


モアイ像は、村の中心部に近いところにもある。
後ろに見える緑の屋根のコテージは、宿泊したホテルハンガロア。



赤と黄の二色の花が同じ木に咲いている(花より葉にピントが合っている失敗写真だけど…)

 村のレストランで昼食を取り、帰宅したのは14:30(19:40z)頃です。いままで、運用したことがない時間だったので期待したのですが、まったくと言ってよいほど呼ばれず、昼寝をしながらも、2時間で18MHz CWと14MHz CWで、5局の運用に終わりました。
 18:50(23:50z)頃から20m CWで運用再開、19:57(00:57z)まで運用しました。総計793QSOとなりました。

 ところで、ここまでQSOはすべてCWです。簡単なアンテナなのでCWのほうがQSOしやすいというのは間違いないのですが、DXバケーションを続けていくうちに、やはりCWのほうが運用が楽しいと思うようになってしまいました。パソコンキーイングなら、SSBより疲れないのも、CWの運用に偏る理由です。
 しかし、せっかくなのでSSBの運用もと考え、20:00(01:00z)に切り替えました。20:30まで36QSO。結局SSBでの交信は、このときだけでした。

 この日のディナーは、昼間目をつけていた村のレストランに行きました。徒歩20分なので、ディナーを終え、運用を再開したのは、少し遅れて、23:00(04:00z)でした。行きは明るかったのですが、帰り道は真っ暗闇のなかを歩く羽目になってしまいました。
 途中から、小さな犬が1匹、後をついてきました。そのまま、ホテルの敷地内へ。心配でついてきてくれたのでしょうか。

 23:00(04:00z)から23:14まで7MHz CWでちょっとだけ運用して、すぐに寝てしまいました。バスに乗っている時間が短かったので、睡眠時間も短かったわけです。

最終目(現地時間1月7日)の運用

 1時間ほどで起きて、7MHz CWで運用再開。00:33(05:33z)頃から呼ばれ始めました。03:34(08:34z)まで3時間運用し、約190QSOしました。途中、外の空気を入れようと、庭への出入り口となるサッシの引き戸を開けようとしたところ、そこにはさっきの小さな犬がちょこんと座っていたのでした。
 引き戸に手をかけた途端、尻尾を振って入ってこようとします。さすがに夜中に野良犬を部屋に入れる気にはなりませんから、そのまま運用に戻りました。
 3時間の仮眠後、06:25(11:25z)から(07:43z)12:43までに、7MHz CWで100QSOできました。
 ここで、寝不足でダウン。でも頑張って9時台に目を覚まし、14 CW 18 CWに挑戦しました。残念ながら、15分間で11QSOしたところで朝食に。戻ってきてから18MHzで5分で3QSOして、この日はお昼でクローズしてしまう博物館に行きました。その後は、昼食を取るなどして村で時間をすごしました。

 戻ってきてから。16:22(21:22z)に運用開始、17:26(22:26z)までに80QSOして、QRTとなりました。

 この日の深夜の飛行機で島を離れます。夕食前にアンテナを撤収し、荷造りをしなくてはならないため、早い時間でのQRTとなりました。

 総計、1220QSOとなりました。

モアイ

 モアイは、島の各部族が競争して作り続けていましたから、島のいたるところにあります。しかし、あるとき、一斉に作るのをやめてしまったらしいのです。
 島には、モアイの製造拠点といった場所があり、岩場から切り出している途中のものや、その場所から動かしかけたまま放置されていたりするものがありました。
 また、本来は、眼がついているのが正しいようなのですが、いまではほとんどが失われてしまっています。
 祭壇に立っていたものは、ある時期にそのほとんどが倒されてしまったそうです。現在のモアイの姿は(前述の製造拠点のものは別にして)、倒されていたものを、日本の重機メーカーの協力等もあって、立て直したものなのです。したがって、いまあるモアイは、本来そこになかったモアイという場合もあるのです。


保護のため、石が敷かれている祭壇部分には乗ってはいけないことになった。
数年前まではモアイに触ってもOKだったとのことだったが、不心得者もいて、
問題が生じたとのこと。



海沿いの草原に転がる赤い石。これはモアイの帽子だったもの。


この山がモアイ製造工場なのだ。火山で火口はカルデラ湖となっている。


動かしている途中で放置されたかのような大量のモアイ


体は土に埋まっている


火口側にも作りかけのモアイがある。


振り返ると、遠くに15体のモアイが並んでいる。


この15体のモアイは、倒されていたのもの日本の重機メーカーの協力で立て直したもの。


帽子をかぶり、目が付いているのが、本来のモアイの姿

おわりに

 ダイポールやGPでは、日本までは厳しかったようです。ある程度の設備をお持ちの方しか交信できなかったようだとは、帰国後聞いた話です。

 しかし、Wからは存分に呼ばれ、パイルアップを堪能することができました。サイクルのピークが近づいたら、ぜひともまた行ってみたいと思っています。
 今回は、広い敷地を活用しての80mや160mの運用まで事前の考えが至らなかったことは残念でした。
 みなさんも、絶海の孤島(本当は近くに小さな島がある)、イースター島に行ってみませんか。ペットも現地調達できる素敵なリゾートです:-)


すっかり居ついてしまった例の野良犬。島の人は小さい頃はかわいがるのに大きくなると
捨てちゃうことが多いそうだ。その結果、強く図々しく生きていくことになる。


 ちなみにイースター島ではダイビングはしませんでした。島に行くきっかけとなったのは、海中のモアイの写真なのになぜ...

 じつは、あの写真、映画撮影のための作り物なのだそうです。それで、見に行くまでもないと醒めてしまったのでした:-)  


おしまい     2008.5.30